実家の祖母が日本舞踊の教室をひらいていたこともあり、物心がついた頃から着物や扇子が身近なものであったため、伝統的な和の図柄に愛着と感心がある。以前から、私自身は日本舞踊を踊ることはできないが、自分の撰んだ美術という世界で何か家族の伝統を受け継ぎ、表現しておきたいという気持ちを持っていた。私の日本画の制作テーマは「自分や家族の生活環境を描くこと」であり、これを表現するために制作した作品の多くに俯瞰視点を用いている。また気持ちを込めるために、点によるマチエールを好んで使用している。(2019年に修士論文として提出したものです。主査は本江邦夫先生)